Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

語られない物語 豪剣の騎士ライラック2

 
その言葉と同時に、信じられないほどの威力の剣撃がライラックを襲う!
敵の剣筋を受け流すテクニックを有するライラックでなければ、その剣ごと命を絶たれていただろう、
それほどの強烈なタケルの一撃・・・!

冷静に考えれば・・・タケルのほうこそ正論を言っている。
ライラックですらそんな事はわかりきっている。
だが、もはや彼らは止まることができなかった・・・、
自分たちの暴走した思想を正当化させるためには、
どんな正論にも耳を貸すことなどできなかったのである・・・。
 「フン、・・・ならどうする?
 お互い、相手が許せないんだろう・・・。
 なら結局は強い方が勝つのだ、
 お前がまだこれほどのパワーを持っていることに少しは驚いたが・・・、
 ランスロットやオレに敵わないお前が何を言っても、現状は変えられない!!」
タケルは自分でも十分自覚しているとおり、
頭のめぐりが良くない・・・。
ライラックのこの一言を聞いて、何がその怒りを沸騰させたのか・・・、
自分でもよく分からないまま、むかっ腹が立ってライラックに突進する。
二人の剣が交錯するも、タケルはハナからライラックを斬ろうとしたわけではなかった。
剣を受け流すライラックの動きなど無視して、
片手を放し、その激重の拳を遠慮なくライラックの顔面に叩きこんでやったのだ!
 「グフッ! ・・・なっ!?」

辛うじてダウンすることを免れたライラック
しかし一体、タケルは何の意図があってわざわざこんな・・・!?
ライラックの息の根を止めるなら、態勢を崩した今がチャンスのはず・・・、
だがタケルは殴り終わった後、長身のライラックを睨みつけるだけ。
 「な・・・何のつもりだっ!?」

荒い息を吐きながら、ようやくタケルは自分の怒りの原因を特定できたようだ・・・。
 「ライラック・・・てめぇ・・・日浦さんの親友だと言ったな・・・!」
 「? それがどうしたっ!?」
 「なら、アンタは・・・日浦さんの本当の気持ちを・・・どれだけ理解していたんだっ!?」