Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

生存者なき村・・・

 
タケルは首をひねりながら、誰かに・・・というつもりもなく、独り言のように口を開いた。
 「なぁ? まさか騎士団の残党に攻められたとか・・・?」
サルペドンが離れた位置から、その疑問を否定する。
 「ありえんな、大体、騎士団がこんな小さな村を攻撃するメリットがない。
 復讐なら、直接このガルーダに来るはずだ。」
マリアの問いの方が蓋然性はあるかもしれない。
 「ではサルペドン、中国かロシアが混乱に乗じて・・・?」
だが、それすらもサルペドンは懐疑を示す。
 「奴らならもっと派手にするだろう、
 世界がこれだけ混乱していれば、ジャーナリストの目も気にする必要もない。
 何のカモフラージュもなしに力づくで蹂躙するだろう。
 ・・・だが、ここには火の手すら上がってない・・・。」

そして彼らはエアポートエリアを過ぎ、村の入り口付近で信じられないものを目撃するのだ・・・。

 死体だ・・・それも夥しい・・・。

見渡す地面のあちこちに、ウィグルの村人と思われる者たちが、
真新しい死体を晒していたのである・・・!
老いも若きも・・・女子供分け隔てなく・・・
やはり上空から見えたのは、彼らの死体だったのだ・・・。

大人たちの死体には、刀や猟銃を持っている者もいる。
酒田のおっさんがその猟銃の一つを取り上げた・・・。
 「発砲してる形跡があるぜ・・・?
 誰に向かって撃ったんだ?」
死体の顔は「驚愕」の表情が彫り込まれている。
一方、クリシュナが見つけたのは、衣服をズタズタに切り裂かれた女性の死体だ。
 「酷い・・・、この傷は・・・獣に襲われたようです・・・、
 狼か虎でも・・・?」
ところどころ、同士討でもしたのかと思われるような、もみあった死体も見つかる・・・。
一体何が起きたというのか・・・!?