Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

現れた集団

 
タケルは何が何だかわからないが、
サルペドンは酒田の考えに興味を持ったようだ。
 「酒田の目の付けどころは悪くないかもな・・・。」
全員がそのサルペドンの真意を求めて振り返る。
当の酒田のおっさんもどういうことかわからないようだ。
だが、サルペドンも自信がないのだろう、
首をかしげながらようやく、歯切れの悪い感想を述べるにとどまった。
 「いや、済まない、確証は全くないんだ、
 ただ、こういった事が出来る者たちがいるとすれば・・・、
 それはおそらく、軍とか、戦闘員とかではなくて・・・。」

 「待って! 何か聞こえる!!」
マリアが突然叫んだ!
彼女の顔は西の方角を向いている。
すぐにタケル達もそのざわめきのようなものを知覚するに至る・・・。
そっちには林か森のようなものがあるが、
同時に、大きな道も開けていたのだろう、
そのざわめきはまっすぐに近づいている・・・。
いったい・・・。

タケル達は物音をたてないようにして、
ゆっくりその開けた道のある方へと移動を行う。
それぞれ、民家や建物の陰に潜みながら・・・。
 「あれは!?」
それは風変わりな衣装を着た一団・・・。
いや、「風変わりな」という表現は適当ではないかも・・・。

確かにその衣装はこの村のものでも、世間一般でお目にかかるものではない。
フレンチスリーブっぽい袖に、膝上までのスカートのようなものをはいている。
・・・ちなみに全員男だ。
足元はサンダル・・・、
そのサンダルから伸びてると思われる革ひもが、ふくらはぎまで巻かれている。
先頭の権力者らしき男は毛髪のないはげ頭で、長めのマントを垂らしている。
その男の背後には簡素な兜と盾、そして剣や弓を持ってる兵士がいる。
わざわざ「風変わりという表現が適当でない」と言ったのは、
その衣装がどこかで見たものと酷似しているからだ。