Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

時代錯誤の集団

 
それは他の誰でもない、
タケルをはじめとするスサのメンバーのユニフォームに似ているのだ。
良く見れば、色や素材・ディティールは勿論、違う。
スサのシャツは半そでだし、
下半身は特に統一されていないが、
タケルに関しては、ブーツインのパンツの上に、彼らと似てるスカートを合わせてるのだ。
これは変な趣味ではなく、
単にスサの組織が作られたときに、メンバーのユニフォームとして、
古代ギリシア人のイメージの服装を適用されただけなのだが、
靴に関しても、サンダルか革のブーツが推奨されている。

酒田のおっさんが小さな声で叫ぶ。
 「おいおい、何だよ、あいつら!?
 スサの服装にそっくりじゃ・・・ていうか、剣はともかく弓ってなんだよ!?」
どうみても時代遅れの装備なのだ。
しかし、兵士たちの体つきを見るに、普通に訓練を積み上げた兵士の体格に見えるのは間違いない。
 タケルにも疑問は当然、沸いている。
 「なぁ、あいつらがこの村をやったってわけでもないのか?
 手にしてる武器があわない・・・っていうか、あいつらなら、
 プロの兵士としても、村人の銃やライフルの前には無傷でいられる筈もねーぜ?」

だが、彼らは村のあちこちに散乱してる死体を見ても、
驚く風でもうろたえるそぶりすら見せない。
少なくとも・・・
この村がどうしてこんな惨劇を繰り広げているのか、
理解していることだけは間違いなさそうだ。
想定すらしていなかったこの驚きの連続に、タケルは対応することすらできない。
スサの組織のリーダーとしての自覚が出てきたとはいえ、
いまだ経験不足の若造には違いないのだ。

この時マリアだけが気づいていた・・・。
平静を装ってる風に見えるが、
いつも冷静なはずのサルペドンまでも珍しく動揺しているのだ。
 「サルペドン?」