Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

成長していくタケル

 
ちなみにこのタケルの問いかけは英語である。
 「・・・ん?
 英語? 英語なら・・・少し分かる・・・。
 日本語? おはよーござます、ありがっとござます・・・、ぶっ殺っす・・・とか?」
お? なんとかイケるか。
・・・でも最後のは何だよ・・・。

タケル自身、英語ならなんとか会話できるので、
この少女に一つ提案してみることにした。
 「オーケィ、ならさ・・・英語で、
 それで、オレも分からないことだらけでさ、
 このサルペドンって男が、この兵士から聞き出すって言うから・・・、
 その間、えっと、
 周り・・・見ろよ・・・。
 可哀そうな村の人たち・・・、埋葬してあげないか?
 オレも手伝うからさ・・・。」
少女は少しタケルの目を見つめた後、タケルの主張に納得したようだ。
彼女にしてもこれ以上、村人たちの死体を見続けたくはない・・・。
すぐに「うん、うん!」と首を縦に振って同意した。
 「サルペドン、・・・というわけでいいか?
 オレは村人の埋葬に回るよ・・・。
 その代り、ちゃんとこいつから必要な事は聞き出せよ。」
目から鱗が落ちるとでも言えばいいのか、
確かに、一軍の指導者という立場ならタケルの感傷は大甘かもしれない。
しかし、逆にこれが民衆の指導者という立場なら、
タケルの発案は正当なもので、周りの人々を惹きつけるような態度だろう。
これまでスサを軍事団体として見ようとしていたサルペドンには、すぐに気づけない発想である。

・・・勿論、サルペドン・・・彼にとってはそれだけでなかったのかもしれないが・・・。

どちらにせよ、ここで言い争いを続けるよりかは遥かに建設的な意見だ。
すぐにサルペドンは同意し、
引連れていた部下の数名をタケルにあてがい、
少女とタケル達は村人たちの埋葬に向かう。
マリアは・・・この場に残り、サルペドンの尋問に立ちあうと言う。