Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

フラア 飲み屋へ!

 
夕日が西の山々の陰に隠れようとしている。
石やレンガで造られた町並みは、オレンジ色に染められつつある。
すでに王統府が運営した戴冠パレードは終わりを告げて、
後は庶民や町が勝手に盛り上がる祭りが続く。
普段なら、家路につく人々・夕飯の支度などで、静かな雰囲気のこの下町も、
酒臭さを充満させ、賑やかな人々で活気づいている。

その人ゴミをすり抜けるかのように、小柄な少女は駆け抜けていた。
ナンパ回避のためだ。
別にこの辺りの町並みは知り尽くしているから、
見知らぬ人間に声をかけられることなど滅多にないが、
一度捕まると、中々離してはくれないので面倒なのだ。
しかも今日は、皆さん、お酒も入っている・・・。
彼女・・・フラアのほうとても、
17ともなれば、女の色気も生じてくる。
まだあどけなさも残るが、将来性を十分に感じさせるその顔立ちは、
多少、ロリコンと呼ばれても「それがどーしたー!?」と開き直る男たちも多かろう。
同年代の少女たちに嫉妬されるのも無理はないかもしれない。
何より、彼女は明るく・・・社交的すぎたのだ・・・。

カラーン・・・!

フラアは街の飲み屋に一人で入ってきた。
勿論、酒を飲む為でも、ナンパされるためでもない。
普段はこの時間帯は準備中なのだが、
今日は祭りなので、真昼間から大勢の酔客でにぎわっていた。
一人で入ってきた未成年の少女は、
誰の目にも目立つ存在なので、
あっという間にフラアに声がかけられる。
・・・でもみんな知り合いだ。

 「おおお! フラアちゃーん、かわいくなったねー!?」
 「こっち来なよー、一緒に飲も~!?」