気楽なフラア
フラアは相変わらず、呑気に女友達と遊びに出掛けたりして、
あまり、気にも留めてないようだったが、
こういう空気の時は、
気楽に父親たちを元気づかせようと健気に振舞う。
「じゃあさ、友達の子たちに、宣伝してこようか?
みんなお金ないけど、サクラにはなるでしょ!
それにお姉さんや、家にお嫁さんがいる家だったら、
安物でも買ってくれるかもしれないし!」
明るい笑顔を浮かべるフラアが言うと、変にその気にさせられる。
何より、無邪気なフラアの態度が嬉しい。
父親は顔をくしゃっと曲げて、娘に負けない笑い顔を作ろうとする。
「ははっ、ありがとうよ、フラア、
だが、心配はいらないさ、
なぁに、結婚式の一つでもありゃ、
みんなワシの作るアクセサリーが必要になって、客足も増えるさ!」
兄のピエリも負けてはいない。
「・・・てことはよ、
フラアには呼び込みより、どっか結婚しそうなカップル見つけてきてもらう方がいいんじゃねーか?
それとも、彼女を作りたがってる野郎どもにプレゼント名目でおびき寄せるか・・・!」
「あー! それはお兄ちゃんがやってよ!
デボアさんとか、ケィデンスさんとか意中の子いないの!?」
元々、前向き思考の明るい家族で構成された家だ。
すぐに笑い声を取り戻す。
「いや、・・・あいつら、
それを勧めたら、間違いなくフラア、お前にプレゼントを渡そうとするぞ・・・!
それって・・・何か違くないか・・・?
フラア、お前は家のアクセサリーつけるだけなんだぞ、それだと。」
「えへへー、それでもいいよー♪
それで私は可愛いアクセつけて、
街中、歩きまわればいいんでしょー?
らくしょう、らくしょー!!」
・・・だが、容赦のない現実は、
どんな明るい笑顔を持っていようと、防ぎ切れるものではない・・・。
そしてそれは収入問題だけに留まらず、生活に関わる対人関係においても・・・。
どんな明るい笑顔を持っていようと、防ぎ切れるものではない・・・。
そしてそれは収入問題だけに留まらず、生活に関わる対人関係においても・・・。