Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

決壊

 
普通、一般的に・・・
兄妹で「そんな」感情など起こりうる訳もない・・・。
生物的な本能か、
社会的慣習で深く良心に植え込まれているせいかもわからないが、
血のつながった者同士なら、親近感は覚えても、
性的な欲求など・・・。
だが、ピエリは過去に何度か感じたことがある。
 フラアは誰に似たのだろう?
 言葉遣いや仕草の癖は、母親を思わせる時が当然ある。
 だが、体格や顔のつくりは両親とも自分とも似ていない。
 彼女の美しい黒髪を保持してる人間も家族の中にはいないのだ・・・。
 
 いったい、何故フラアが「魔女」と呼ばれてしまったのか・・・!?
 もしかして・・・本当に妹は、オレ達の家族でなく・・・どこからかやってきた魔女?

そう思った瞬間、自制心も飛び去り、ピエリの右腕はフラアの手首を掴んでいた。
 「お・・・お兄ちゃん?」
度々光る電光が、互いの顔を照らす。
フラアの表情は驚愕・・・。
そして兄ピエリの表情は、
瞳が、まるで・・・これまで妹が見た事もないような、獣の光を帯び始めていた!

 「魔女・・・。」
兄の強張った形相に怯え始めるフラア・・・。
それに魔女っていったい・・・?
 「お兄ちゃん、痛いよ! 何するの? 放してよ!!」
 「・・・お前は魔女か・・・!?」
 「な、何言ってるのよ!?
 そんなわけないでしょう!! どうしちゃったのよっ!?」
 「うるさいっ! フラア・・・お前のせいで・・・お前のせいでこの家は!!」
 「ちょっと! どこ触ってるの! い・・・イヤ!! 
 やめ・・・て、痛いっ!!」