決別
フラアもコーデリアに対し、今さら自分の弱い部分や甘えを見せようなんて考えもしない。
必死に涙が出そうになるのを堪えて話題を変える。
「もし、・・・ほ、法王庁の人間に見つかったらあなたもただじゃ済まないわよ?」
「へっ! 言っとくがアタシはそんなにお人好しじゃない、
見つかったら、フラア! お前に無理やり奪い取られたことにするからな!
捕まりたくなかったら、さっさとお行きよ!」
「グスッ・・・フフ、はいはい、
あ、あなたはそういう人だったわよね、コーデリア・・・。
でも・・・あたし・・・あなたのこと・・・!」
フラアにしても意地っ張りだ。
これまでのことを水に流して、お礼を言うとか、態度を急変させるとかは考えられなかった。
でも・・・力が涌いた・・・。
最悪の状況の中で、最も期待していなかった相手が差し伸べてくれた手・・・。
それがどんなにフラアの励みになったことか・・・。
コーデリアは自分の顔を覗き込むフラアの瞳に、
今まで、何でこんな小娘にイラついてきたのか、今になってわかったような気がした。
他の連中は自分に対し、ビクビクオドオド、視線を下げているのに、
このフラアだけは、どんな時でも真っすぐ自分を見返してくる。
決してへりくだらず、人の顔色を窺いもせずに・・・。
そんな風に他人に直視されることに、コーデリアは慣れてなかったのかもしれない。
一々、人の顔、覗きこむなよ! そんな風な目でアタシを見るな!
そんな表情で、お前はあたしに対し何を言いたいんだよ!?
だからこそ、いつもお互い、感情をぶつけあってしまったのだろう・・・。
自己満足・・・結局はそれでいい・・・。
自分の行動がフラアを救う、自分の良心に従った結果だ・・・。
そして長年、胸につかえていた疑問も、少しは晴れた気がする・・・。
今まで、何でこんな小娘にイラついてきたのか、今になってわかったような気がした。
他の連中は自分に対し、ビクビクオドオド、視線を下げているのに、
このフラアだけは、どんな時でも真っすぐ自分を見返してくる。
決してへりくだらず、人の顔色を窺いもせずに・・・。
そんな風に他人に直視されることに、コーデリアは慣れてなかったのかもしれない。
一々、人の顔、覗きこむなよ! そんな風な目でアタシを見るな!
そんな表情で、お前はあたしに対し何を言いたいんだよ!?
だからこそ、いつもお互い、感情をぶつけあってしまったのだろう・・・。
自己満足・・・結局はそれでいい・・・。
自分の行動がフラアを救う、自分の良心に従った結果だ・・・。
そして長年、胸につかえていた疑問も、少しは晴れた気がする・・・。
既に距離が離れると、互いの顔や表情は見えなくなっていたが、
最後にフラアはコーデリアに笑顔を向けると、
迷いを捨てて、排水門の斜めった城壁を滑り落ちるように降りて、
またもや擦り傷を作りながらも、何とか土の大地に着地することができた。
ま、着地と言うか、這いつくばるような態勢でどうにかってところだけど・・・。
今日は何回、落下したのだろうか? 数えるのも面倒臭い。
ランプは何とか無事だ・・・。
火の揺らめきはかなり危なっかしかったが、地面に激突させることだけは免れた。
後は兄の言っていた、幽霊の出ると言う遺跡に向かって・・・。
最後にフラアはコーデリアに笑顔を向けると、
迷いを捨てて、排水門の斜めった城壁を滑り落ちるように降りて、
またもや擦り傷を作りながらも、何とか土の大地に着地することができた。
ま、着地と言うか、這いつくばるような態勢でどうにかってところだけど・・・。
今日は何回、落下したのだろうか? 数えるのも面倒臭い。
ランプは何とか無事だ・・・。
火の揺らめきはかなり危なっかしかったが、地面に激突させることだけは免れた。
後は兄の言っていた、幽霊の出ると言う遺跡に向かって・・・。