Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

遺跡の中に蠢くもの

 
 ウゥゥウンー ・・・

何これ? まさか声? 聞こえる・・・。 誰かいるの?
まさか・・・これが幽霊話でちょくちょくでてくる謎の唸り声だというのっ?
 これはでも・・・声ではない・・・? 音?
音は周期的に同じ音を繰り返している・・・。
人間だったら同じ調子で、発声など行わないだろう・・・。
でもだとすると、この音はどこから・・・風?
ランプの光は確かに揺らいでる・・・。
自分が開けた天井のせいで、風が吹いてるだけかもしれないが、
落下の時の悲鳴の反響具合からすると、
この先の空間はかなり広がってるような気もする・・・。
 いぃぃいたた・・・!
行かなきゃ・・・少しずつでいいから・・・。
大昔の遺跡・・・。
壁も現代の家やお城の材質とは違う・・・。
もしかしたら、今の自分に役立つ道具とか見当たらないだろうか?
フラアは壁に手を添えながら、
音の聞こえる方・・・ランプの炎が揺らぐ先にと足を引きずった・・・。

音がどこから聞こえてくるのか・・・、
その判断をするのは困難だった。
確実に音が大きくなっていることから、音源に近づいていること自体はわかるのだが、
壁に反響しているせいか、どうしても正確な位置が分からない。
止む無く、フラアは残りの油が付きかけてきているランプを顔の上にかざしてみた。

そして・・・フラアに最大の恐怖が・・・。

ランプの揺らいだ光が、その瞬間大勢の人影が動きだす姿を照らし出したからだ!
 「ヒィッ!?」