父親
「・・・我らが祖、天使シリスの従者、ツォン・シーユゥ殿!
神聖ウィグル王国現国王アイザスと申します!
どうぞ、この場に下りてきてくださいませ!
謹んであなたを迎え入れます!!」
アイザスに分かる訳もないが、いくら何でも下から肉声で叫んだって、ツォンに聞こえる筈もない。
だが、ツォンもこの場の一番偉そうな人間が、
自分に向けて何かをアピールしてるのはわかったし、
どうやらフラア一家も解放されたようだ。
それが理解できると、すぐに飛行船を降下させ、
再び地上に姿を見せる。
・・・子供の姿の本人を直接見れば、
ディジタリアスもアイザスもさぞ、驚くことだろう。
まぁ、今はどうでもいい。
だが、ツォンもこの場の一番偉そうな人間が、
自分に向けて何かをアピールしてるのはわかったし、
どうやらフラア一家も解放されたようだ。
それが理解できると、すぐに飛行船を降下させ、
再び地上に姿を見せる。
・・・子供の姿の本人を直接見れば、
ディジタリアスもアイザスもさぞ、驚くことだろう。
まぁ、今はどうでもいい。
・・・群衆は兵隊たちに強硬に威圧され、どんどん家路にと消えてゆく・・・。
ギリギリ最後までその場に残っていたコーデリアも、
目に涙を潤ませながら、
その眼に小さくなって映るフラアを見守り続けていた。
(アイツがお姫様!? ・・・ありえねぇ~・・・
・・・何とか命が無事なのは良かったけど・・・ フラア・・・お前の親は・・・ )
ギリギリ最後までその場に残っていたコーデリアも、
目に涙を潤ませながら、
その眼に小さくなって映るフラアを見守り続けていた。
(アイツがお姫様!? ・・・ありえねぇ~・・・
・・・何とか命が無事なのは良かったけど・・・ フラア・・・お前の親は・・・ )
コーデリアの目に映る、解放されたフラアは、
刑場の真中で、丸まって両親の元から離れようとはしなかった。
医療関係者が担架を持ってくるまでの間、
フラアはまたも泣きじゃくりながら両親に・・・
特に、もう腕一本起こす力もない父親にしがみついていたのである。
「・・・お父さん! しっかり・・・! お父さんっ!!」
父親の視線はまだ、愛する娘に注がれたままだ・・・。
フラアは興奮して、父親の手を握りしめるも、もうその手に力は一切、感じられない。
彼も、父親として沢山の事を娘に伝えたかったのかもしれないが、
・・・彼が口を動かせたのは、ほんの一瞬であった・・・。
「フラア、 済まない、ピエリを・・・許して やって くれ・・・。」
刑場の真中で、丸まって両親の元から離れようとはしなかった。
医療関係者が担架を持ってくるまでの間、
フラアはまたも泣きじゃくりながら両親に・・・
特に、もう腕一本起こす力もない父親にしがみついていたのである。
「・・・お父さん! しっかり・・・! お父さんっ!!」
父親の視線はまだ、愛する娘に注がれたままだ・・・。
フラアは興奮して、父親の手を握りしめるも、もうその手に力は一切、感じられない。
彼も、父親として沢山の事を娘に伝えたかったのかもしれないが、
・・・彼が口を動かせたのは、ほんの一瞬であった・・・。
「フラア、 済まない、ピエリを・・・許して やって くれ・・・。」