Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

狩猟の女神 アルテミス7

 
だが、それならば、どうしてアルテミスは姿を見せない!?
こちらのライフルに狙われないように、丘の下から攻撃しているのか?
ならどうして、正確にこちらの位置を掴めるのか?
めくらめっぽう射ってたまたま当たってるだけなのか!?

そしてさらに第三、第四・・・いや、無数の矢の雨が!
狙って射てるわけがない!
当たり前の話かもしれないが、敵は多くの弓兵を用意していたようだ。
あっという間に頭上の空間が矢で埋め尽くされる。
降りそそぐ矢の空気を切り裂く音や、楯や地面に突き刺さる衝突音、
そして次第に仲間たちの悲鳴が!!
 「やっ、野郎っ!!」
ついにタケルが小高い丘のふもとにたどり着いた!
ここから先は姿を見せずに射る事などできない!
山なりの軌道を描こうとすれば、天井にぶつかるか、遥かタケルの後方に外れるかどちらかだ!
 「第二陣は丘の麓を回り込め!
 グログロンガ以下はオレのあとに続け!!」
一度タケルは後方に指示を送るべく、後続部隊に振り向いた。
そしてすぐさま顔を前方に戻した時、
自分めがけて頭上から落ちてくる凶悪な矢の存在に気づいて仰天する!
 「でぇぇぇぇぇえっ!!」
せっかく作ったトカゲの楯が真っ二つに割れ落ちた!
ここはやはりさすが、と言うべきだ。
タケルの反射神経だからこそ、これだけの被害で済んだのだから。
だが、いったいどうやって打ち込んだのだ!?
この距離・このスピードで山なりのカーブを描いて放てるわけがない!!

そして同時に、ここで足を止める訳にもいかない。
何しろ、後ろからどんどん仲間がやってくるのだ、
足を止めて、みんなの行軍の邪魔をしてしまえば、部隊全員狙い撃ちだ!
後は反射神経を頼りに前へ進む・・・!
それがタケルの役割なのだ!