Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

狩猟の女神 アルテミス10

 
やがてその言葉に、意を決したのか、
サルペドンは懐から一丁の拳銃を取り出す。
彼の射撃の腕はどうだか知らないが、
この距離で、相手が動かないなら・・・、
というより、どうしてアルテミスはこれ程まで余裕なのだ?
先程のセリフから類推するに、銃に対する最低限の知識は持っているようなのに・・・。
 「お・・・おい、サルペドン・・・!?」
タケルでなくてもその結果を危惧する。
だが、当のサルペドンは迷いつつも、その銃口をアルテミスに向けた!
 「・・・いいのだな?」 
 「フフッ、・・・はーやーくぅ!!」

 ガォンッ!!
 「うわぁあっ!」
・・・
驚愕の声を上げたのはタケル・・・!
拳銃をぶっ放した結果はどうだったのか?
慎重にアルテミスの様子を見るが・・・彼女は・・・
何ともない!?
相変わらずニヤニヤ笑みを浮かべてる!?
なら銃弾は!?
 「サルペドン、外したのか!?」
だがしばらくサルペドンは答えない・・・。
ところが、やっと口を開いたサルペドンの言葉は、タケルの理解の範疇外にあったのだ!
 「違う・・・外したのではない・・・外されたのだ・・・!」
 「えっ? そ、それってどういう・・・!?」
サルペドンは銃を下しながら、その答えを言うために片手でアルテミスの足元を指さす。
 「彼女の足元に弾は落ちた・・・。
 狙いは彼女の首飾りに向けたつもりなんだがな・・・。
 そして狩猟の女神アルテミス・・・それがそなたの能力なのだな・・・?」