Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

狩猟の女神 アルテミス12

 
そのまさかだ・・・!
 「はぁーい! ミィナちゃんだよーん♪」

う そ で し ょ ?
タケルが呆れかえるのも無理はない。
これまでの話を彼女は聞いていたのか?
ミィナはご自慢のムチをバチンバチン鳴らしての登場だ。
しかも、こいつも自信満々の笑みを浮かべている・・・、
でもその根拠は!?
 「ぅおっ、おい! ミィナ!
 お前、今の話、聞いていたのか!?」
 「まーかーせなさいって! 女は女同士、何の遠慮もなくやれるってこと!」
いや、それはそうだけど、そんなんじゃなくて・・・!
止めようと追いすがるタケルをミィナはチラ目で確認・・・
彼女の右腕が反応するっ!
 バチィッ!!
 「うぉっ!?」
タケルの足元の土草が舞い上がる・・・。
ミィナが、その閃光のような鞭を一閃したのだ。
視えなかった・・・。
意表を突かれたせいもあるし、視界の外から鞭が振り下ろされたせいもあるが、
これまで騎士団の精鋭たちと戦うことによって、
本物の戦士として磨かれてきたタケルの動体視力を上回る動きを!?
 「・・・脅かしてすまねーなぁ、でも止めるなよ?
 こいつらと戦う、一番強い理由を持っているのはあたしなんだ・・・!」
さっきまでのおちゃらけた様子は一切ない。
当り前か、・・・彼女の家族が殺されてから、まだ二、三日しか経っていないのだ。

ミィナはそのまま、サルペドンの脇まで来ると、
彼を見上げて頼みごとをする。
 「わりぃ、ちょっとあの女に聞きたい事があるんだ。」
通訳の願いのようだ。
・・・もっとも、彼女が何を聞きたいかは想像に難くない・・・。
そしてミィナはアルテミスの正面に構える。
 「・・・あたしの生まれ育った村は、お前らオリオン神群とやらに壊滅させられた!
 一つ答えな? ・・・アルテミス、
 あんたはあたしの村を攻撃した連中と一緒にいたのか!?」