狩猟の女神 アルテミス15
アルテミスは再び弓をつがえる!
この距離では、いくらミィナの反応速度でも叩き落とせるわけもない。
やっべ!
見っともなく転がりながら後ろ斜めにミィナは回避!
ギリギリでアルテミスの弓矢は、ミィナの背中をかすめて飛んでゆく。
あっぶねぇぇっ!!
何とか態勢を立て直すも、既にアルテミスとの距離は、彼女の鞭の攻撃範囲の遥か外。
もう一度接近しなければ、アルテミスを倒すことは不可能だ。
・・・だがこの距離では・・・。
「あらあら?
行っちゃったの?
今は、あなたの攻撃が無駄である事を教えてあげるために、
わざと近づかせてあげたのよ?
もう・・・同じようなチャンスはないけど・・・その位置で・・・いいの?」
更なるアルテミスの攻撃!
今度は真っすぐミィナを狙わず、水平より30度ほど上に向かって・・・。
シュパッ!
「上かよッ!」
今度は山なりの軌道を描いて、ミィナの頭上から落ちてきた!
矢の射出スピードから考えれば、物理上不自然な落ち方だ!
すぐさま鞭で反応するも・・・。
・・・無理だ! 待機状態で地面に垂らしている鞭を、頭上にまで振り上げる動作は、
スピードも正確性もその真価を発揮できる動きではない!
「きゃあっ!」
ミィナの腕から鮮血が飛ぶっ!
直撃は避けられたものの、アルテミスの放った矢は、ミィナの皮膚を10センチほど切り裂いた!
「はぁい、次ぃ♪」
アルテミスは容赦しない。
今度は2本連続で、左右に撃ち分ける!
二つの矢は左右から大きな弧を描いて、ほとんど同時にミィナのカラダを喰い破るのだ!
「アグゥッ!」