Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

狩猟の女神 アルテミス16

 
戦いを見守っていたタケルは、
ようやく、先ほどサルペドンが放ったセリフの意味に納得した。
 『レーザーを使用したとしても、照準を合わす動作が間に合わない』
このアルテミスは、矢を放つ時、狙いを定めていない。
言葉は悪いが、めくらめっぽう撃ってるだけである。
そこから先は、自分の能力で敵を追尾してるのだ。
故に、ハナから「狙いを定める」時間を必要としないのだ。

目の前で女の子が血だらけになる姿を、黙って見ていられる訳もない。
タケルが思わず天叢雲剣に手をかけようとするも、
アルテミスは未だ余裕か、放った一本の矢をタケルの足元に突き刺した!!
 「うぉっ!?」
 「・・・行儀が悪いんじゃないかしら、
 カッコいいお兄さん?
 女同士の一騎打ちを望んだのは、そ・ち・ら!
 まずはこの子が、無残な死体になるのを指を咥えて見ててごらんなさぁい?」

その時、またもやミィナがチラ目で叫んだ!
 「・・・テメェ、タケル! 手ぇだすんじゃねーぞぉ!!」
自力でここからどうにか出来るというのか!?
ミィナはアルテミスの一瞬の隙をついて、またもや自らの間合いに収めるべく、
砂埃を巻き上げながら必死の接近ダッシュ
 「無茶だ! 真っすぐ突っ込んだって・・・!」タケルの言葉の後にサルペドンも反応!
 「いや、タケル! むしろ・・・」

ミィナとアルテミスの武器特性からすれば、実はミィナに有効な攻撃は、
真っすぐに距離を詰める事だけがたった一つの手段なのである。
距離を詰めれば詰めるほど、
アルテミスの「物体誘導」の効力は、その物体の初速に阻まれて、大きく軌道を曲げる事が出来ない。
つまり、二人の距離が近ければ近いほど、
それは普通の弓矢の攻撃なのである。
アルテミスはそれを知っているが為、
わざと最初に「ミィナの接近攻撃が無駄である」ことを見せつける必要があったのだ。
だが、至近距離ならミィナも反応出来ないこともまた事実。
では彼女は・・・!?