Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

シルヴァヌスの森 29

 
タケルの毛が逆立った・・・!
だが、先ほどの暗い森のような、絶対的な恐怖は感じない。
これは生物的な・・・まさか、

そうだ・・・先ほどのデン達を襲った小型・・・いや、中型げっ歯類の塊り・・・!
ついに奴らはタケル達をも発見し、その、小さいながらも強力で、
更に凶悪な牙を剥き出しにしたのだ!
あっという間に「それら」はタケルの眼前に現れ、見る見る内に増殖していく!
背後の部下はうろたえるばかりで、今にも怖気づいて逃げ出しそうだ。
だが・・・
既にタケルはこんなものでビビりはしない!!
 「おめーら、後ろに跳べっ!!」
何を思ったのか、タケルは天叢雲剣を眼下の柔らかい土壌に深々と突き刺した!!
その間、立ち止まっているタケルに、遠慮なくネズミどもは群がりはじめた!!
 「痛てっ! だ・・・だがな、・・・今だけだ・・・てめぇら、デンの仇ぃっ!!
 覚悟しやがれえぇぇッ!!」
カラダを喰われる痛みに耐えながらタケルが行った脅威の戦法・・・それは・・・!

 「・・・天叢雲剣・・・おめぇも遠慮するなぁぁぁあっ! 消し炭にしてやれぇっ!!」
なんと! タケルはその状態で天叢雲剣を発動っ!
当然、雷の刃は土中を伝わるばかりか・・・、辺り一帯の・・・
そしてタケル本人の足からカラダ全体に伝わるっ!!
 ああばばばばばばばっばあばっ!!
 「タ、タケル様っ!?」
見ていた部下の方が肝を潰した!
タケルを襲う雷のエネルギーは、2メートルの身長を誇るタケルのカラダを激しく痙攣させる。
勿論、その強力なパワーに、ネズミどもが耐えられる訳もない!
耳をも切り裂かれるかと思われるような、激しい音と、
腐った肉が焦げるような嫌な匂いが、あっという間に辺りを覆う。

終わってみればあっという間だ・・・。
ネズミども全滅・・・。
いや、勿論、遠巻きにいた集団もいるにはいるが・・・、
恐らく、シルヴァヌスからの命令(?)のようなものより、本能的な恐怖の方が大きいのだろう、
慌てて散り散りに去ってゆく!