Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

シルヴァヌスの森 36

 
その眼光には紛れもない殺気が・・・!
体力と精神力を限界近くまで使い果たし、
仲間を殺され、その感情の昂りも最早ピークに達している。

・・・容赦できる余裕は既になかった・・・、
いや、あの時・・・たとえ一時期とはいえ、暗黒の波動を受けてしまったタケルは・・・
その凄まじいまでの戦闘力を、今・・・シルヴァヌスに向けて放とうとしていた・・・!
 「・・・逝け・・・。」

刹那、シルヴァヌスには最後の意識は、
やけに周りがスローモーションのようにゆっくりと感じられた。
だが・・・彼に抵抗することなど一切不可能・・・。
彼が認識できたのは、鬼人のような形相のタケルの眼光・・・。
そして、
ミサイルのようなタケルの右拳が、シルヴァヌスの顔面を粉砕・・・
頸椎を破壊・・・
そのカラダを神殿の壁にまで吹き飛ばして見せたのだ!!

神殿の壁や柱が崩れ落ち、大量の埃が舞う・・・。
味方の部下たちも、今、自らが動物たちに襲われている事など、
お構いなしに、そのタケルの凄まじさに息を奪われていた・・・。
もっとも、その猛獣たちも、もう攻撃を止めていた・・・。
まるで、タケルに怯えるかのように・・・
無表情に立ちつくすタケルの姿に、畏れ仕えるかのように、その頭を揃って低くしていたのだ・・・。

もう確認するまでもない・・・。
向こうにあるのはただの肉の塊だ・・・。
ただの死体・・・、
デンも・・・彼が助けようとしたアイドネアも・・・
この森の支配者シルヴァヌスでさえも・・・死んでしまえば唯の肉塊なのだ・・・。
どんな才能や・・・能力を備えつつも・・・
こんな、簡単に・・・。