Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

守護女神アテナ 5

さて、デメテルの寝所にて、
ポセイドンとアテナ、二人のオリオン神群が会話している間、
タケルは村人たちが用意してくれた簡易ベッドで身を休んでいた。
長い戦いの連続で、
どこでもすぐに寝られる習慣と、すぐに目覚められるようにする行動パターンの繰り返しで、
今度も軽くいびきをかいて一眠りしていたのである。
丁度、一時間と言うのはキリが良い間隔なのだろうか?
・・・ゆっくりと柔らかいシーツの中で彼は眼を覚ました・・・。
 
表を覗くと、小屋の入口に座りこんで、ミィナと酒田さんが飯を食っていた。
 「・・・ふぁ? あれ? 二人とも・・・宴席で騒いでたんじゃ?」
ミィナはお芋の煮っ転がしを頬張りながら、
タケルの目覚めに安心したようだ。
 「ふぉふぉ(おお!)ふぉお、かふぉいふぉはひょくなっひゃな(もう、顔色はよくなったな)!」
 「・・・ミィナ、せめて飲みこんでから喋れよ・・・。」
まぁ、何とか言ってる事はわかる。
そんで、酒田さんがフォローを入れてくれた。
 「まさか、ずーっと、騒いでらんねーさ、
 あのデメテルのおばさん、楽しけりゃ相手が誰でも大騒ぎできるようだしな?
 ミィナもお前の事、心配してたんだぜ?」
へぇ? それは意外!
タケルはきょとんとして、ミィナを見つめるが、
勘の鋭いタケルは空気を読んだ・・・。
これ以上、ミィナの顔をしげしげ見ると、また攻撃を加えられる・・・。
案の定、ミィナは眉をしかめてタケルの足を踏もうとする。
・・・あぶねっ! 何度も踏まれてたまるか!
攻撃をかわされたミィナは、悔し紛れに罵声を浴びせる。
 「勘違いすんなよ、アホタレ!
 デュオニュソスの村でお前に悪いこと言っちゃったから、あたしはせめてもだな・・・。」
 「はは、わかってるよ、ミィナ、それに前の村の事はもう気にしてないさ。
 それより、そろそろ、デメテルに挨拶しないとな・・・。
 あれ? サルペドンは!?」
 「ああ、何か誰かが用があるって、あいつを呼びつけたみたい?
 まだ帰ってこねーのか?」
 「じゃあ、余計にオレ戻った方がいいじゃん!」
すぐさま、タケルは顔をこすって、デメテルの所に戻ろうとした。

 「ん?」
当のデメテルは、遠目にタケルが目覚めたのを確認すると、
またも大仰に歓喜のポーズをとって、両手をいっぱいに広げたが、
・・・その時、同時に彼女の視界には、全く別の人物の陰が入りこんでいた・・・。