Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

守護女神アテナ 7

 
タケル達が、宴席に戻ろうとする間に、
このアクタイオスとかぬかす長衣の男は哀れにも、
本性の一端を露わにしたデメテルに怯え、腰をぬかしそうになりながら逃げ出して行った。
 「ん?」
当然、タケル達には状況は分からない、
何かあったのかと、タケルはデメテルの近くまで戻ると、単純なる好奇心で彼女に尋ねる。
 「・・・どうかしたんですか? デメテルさん?」
その途端、デメテルはニッッッッコーリと、100万ドルの笑顔でタケルの腕を掴んだ。
 うわっぁ!
 「ホッホッホ、大したことではない、タケルよ、
 それより具合はもういいのか?
 まぁ、ここに座りゃあ♪」
 「え、え、えっ、は、はい・・・。」
ミィナと酒田さんは、意味ありげな笑い顔をこらえながら自分の席に戻る。
 ・・・てめーら、覚えてろよ・・・。


するとどうだろう?
またもや、タケルがデメテルの慰み者になるかと思われた一瞬、
再びデメテルは真面目な顔を取り戻し、逆の方向を振り返る。
 あ・・・サルペドン・・・ん?
 だ、誰だ?
 あの女性・・・。
デメテルは名残惜しそうに、タケルに色っぽい視線で流し目を送ると、
一度タケルの腕に指を絡めながら彼の腕を外した・・・。
 いちいち、この人は・・・。
今まで、自分の席を殆ど離れなかったデメテルが、ゆっくりと立ち上がる。
彼女が迎えるは長身のひと組の男女、
サルペドンとアテナ!
 「サルペドン、その人は・・・!?」
と口を開こうとしてタケルは思いとどまる・・・。
どう見ても、その女性の佇まいはこの村の一般女性のものに見えない。
ショートレイヤーの野性的な髪に、つぶらで大きな青い瞳・・・。
いくつもの胸飾りを垂らしながら、その二つの腕にはそれぞれ、
装飾性豊かな槍と楯・・・!
武装してるとは言え、殺気立ってもいない。
むしろ物静かながらも高貴な顔立ちは、女王か、お妃様のような雰囲気を醸し出している。
 
その女性は、デメテルの所までやってくると、
槍と楯を大地に置き、そして二人はゆっくりと抱き合った・・・。