Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

死の神タナトスと、解き放たれた「魔」28

 
ミィナの足元の感覚が一瞬、消える・・・!
 「うわぁっっ!!」
ガラガララッ・・・
目前で急に足元の岩場が崩れ落ち、
ミィナのカラダが半分それに合わせて落下する・・・!
いや、何とかぎりぎりで、しゃがみこみ、カラダの重心を後ろに逸らす・・・。
 「・・・あ、あ、・・・あ・・・あっぶねぇ~ぇ・・・ 。」
先ほどの地震で岩場が脆くなっていたのであろう、
もう、ミィナの進行方向に道はない。
地面もない。
見れば、この辺は崖の突端になっているようだ・・・。
 「ち、ちくしょう、金網か立て札ぐらい、立てとけよ・・・、ああああ
 寿命また、縮まったぁ~・・・!」
もう、ミィナ半分、涙目になっている。
そりゃあ、命がなくなるところだったのだから、無理もあるまい。

ミィナは心臓がバクバクいってるのが少し落ち着いた辺りを見計らって、這いずるようにその場を離れた・・・。
ここでただひとつの事件は・・・、
ミィナが踏み落とした岩石の塊が・・・
そのまま落下した先で起きたのである。

立ち込める白い霧・・・。
周りの音を吸収してしまうのか、
それとも、自ら起こした大地の振動のためか、
「彼」にはそれが気づかなかった・・・。
頭上から落ちてくる凶悪な危険物を!
それでも「何らかの」気配を感じ取ったのか、
黄金色の瞳の巨人が頭上を見上げた瞬間!
彼の視界いっぱいに黒い塊が。

「それ」を認知したときには、鈍い音とともに、岩が激突した後の祭りである・・・。
常人なら即死してもおかしくないほどの重量と、硬度と加速度である。
・・・その男は静かに・・・あまりにも静かに大地に沈みこんだ・・・。
頭から血を流して・・・。