Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

ヘファイストスの葛藤・語り継ぐネレウス34

 
今までの話は、
ネレウスが自分で言ったように、真実だと断定する必要もないし、その確証もない。
タケル自身、内心で思っていたように、
大昔の誰かが勝手に考え付いた絵空事、と決め付けたって問題はない・・・。
だが、タケルも今まで身に起きたことを冷静に思い出し始めていた・・・。

そういえば、いつから身の回りに地震が頻発するようになっていた?
まだ騎士団が暴発する前、
日浦義純に連れられていった製薬工場・・・。
あの動物たちが、まるで自分をかばうように行動したのは何だったのか?
何故、自分にルドラの鎧を纏う事ができる?
タケルの父親でさえ、拒否反応が現れたと言うのに・・・。
そして・・・、
タケルはほとんど無意識に自分の額に手をやった。
かさぶたがある・・・。
タナトス戦で意識を失ってる間なのかどうか知らないが、
どでかい石でもぶつかった傷のようだが・・・。
最近、鏡をみていないが、ここには大きな痣があったはず・・・。
あれは・・・一体?

そしてここに、
彼らの静寂を破るかのように、足を踏み出したものがいる・・・。
ミィナ・・・。
彼女は吸い込まれるように、壁画の下に赴き、
そこに描かれた、「翼ある者」に、その小さな顔を向けた・・・。
 「・・・天使。」

 「えっ!?」
その場にいるほぼ全員が同じ反応をした。
 「ミィナさん、どうしたの?」
マリアが簡単な問いかけを行ったが、当のミィナが一番戸惑っている。
 「え? えっ? あたし、今なんか言った!?」
 
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