Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

クラトスとビア 12

 
タケルの脅しにクラトスは大声で笑い始める。
 「フッ? ふ、フハハハッハハ!!
 地上の者は冗談も言えるのか、
 まぁ、良い、
 小僧、お前がこの一団の首謀者か?
 それともポセイドンがお前の主なのか!?」
一瞬、言いよどむタケルの背後から、サルペドンが歩き始める。
 「ここにいる緒沢タケルがスサの主だ・・・!
 だが、このポセイドンに用があるというなら私が聞こう!」
ついにサルペドンが、堂々と己の正体をオリオン神群に明かす形となった。
スサの行く手を阻む者は残り僅かな筈だが、
この先、どんな展開が待つのだろう・・・。
さて、クラトスとビアは、
初めてポセイドンに相対すのか、
ここで態度に変化が現れた。
・・・まぁ、ビアは斜に構えた体勢で押し黙ってしまうが、
代わりにクラトスが雄弁に振舞う。
 「これはこれは・・・、
 本来、位からは我等など、あなた様には跪かなくてはならぬ身でございますが、
 既にあなたはオリオン神群たる地位を剥奪されている身、
 申し訳ありませんが、
 この対等なる位置で語らせてもらいますぞ?」
言葉遣いはそれでも丁寧な気がするが、
その身振りや表情は尊大以外の何者でもない。
それは目下のものに向ける視線である。
もっとも、そんな些細なことなど、サルペドンは何も気にしていない。
 「余計な気遣いは要らぬ、
 それでクラトスよ、
 お前やビアの力で私の前に立つつもりか?
 このポセイドンを倒せるのは、お前たちの主人ゼウスだけだと理解していないというのか?」
今まで裏方にいたサルペドンの強硬なる言葉に、タケルは感心すると同時に頼もしさを覚える。
今まで自分ひとりが、戦闘面の最前線にいたのだ。
どれだけ、サルペドンの参戦を心強く思えるだろう。
 
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画像はピュロスのネストールの王宮?