Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

クラトスとビア 13

 
さて、
クラトスは軽く頭を下げる。
まるでサルペドンの主張はもっともだとでも言うようだ。
 「いかにも・・・。
 我等とて、ポセイドン様に敵うなどと大それたことは思っておりませぬ・・・。
 ですが、
 あなたもこの状況では、我々に攻撃できないのではないですか?」
そう、ポセイドンの大地を揺する攻撃は、仲間のいる場所では使えない。
大量の犠牲者を出す危険のある地域では一切使えない能力なのだ。
だが勿論、そんな事は当の本人が理解している。
 「それで?
 私が能力を封じられていると思うのなら、
 お前たち二人で、私とその仲間たちと真っ向から戦うとでもいうのか?」
 「ふふふ、ポセイドン様、
 そう慌てるものではございません・・・。
 見てください、
 このメタパの門の中は、
 狭い道や、曲がりくねった道、起伏の激しい土地、
 いずれも戦いに向いた町ではありません。
 無理に戦闘を始めたら、多くの町民や建物に被害が及ぶでしょう。
 そこで、
 場所を変えたく思うのです。
 地理に疎いあなた方には、却って都合がいいはずですよ?
 それに我々を倒しさえすれば、
 次の光の女神アグレイア様の町まで一直線だ。」
 「どこで戦おうというのだ?」
 「ああ、あなた方にも見える場所ですよ?
 この門をくぐらず、あなた方から見て左側に傾斜の激しい岩場がございますな?
 そこで、このクラトスと、隣に控えるビアがお相手しましょう。
 そしてもし、私たちが敗れたならば、
 この岩場の先で、
 メタパの主、ハデス様があなた達を歓待するでしょう。」