Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

クラトスとビア 17

 
むしろ外見上、今のビアの発言に動揺を見せたのは、
タケルやサルペドン・・・!
当のミィナは身動き一つせず、
ビアの言葉をカラダに染み渡らせていた・・・!
 お前もか・・・!
ここで怒りと憎しみの表情を顔に浮かべることは当たり前の成り行き・・・、
しかしミィナは敢えて、その感情を喉の奥に留まらせていた・・・。
 「・・・へぇ?
 そうかい?
 参考までにそっちのキモデブも一緒だったのか・・・ぁ?」
言葉の最後が震えてる。
思わずタケルが振り返るが、
もうミィナの眼中にタケルはない。
その視線をクラトスにぶつけると、
その筋肉ダルマは、片割れのビアとは対照的に、大声で笑い始めた。
 「ンフフッ・・・!
 察しがいいな、小娘!
 私にかかれば、地上の人間など一切の抵抗も許されずに大地にひれ伏すのみだ、
 その状態で、クックック・・・。
 シルヴァヌスの呼び寄せた野獣に襲わせたり・・・、
 そうそう、この上にいるハデス様もいらっしゃった。
 あの方の能力を見ることはないだろうが、
 せめてここで我らの裁き存分に味わうがいい!」

ミィナは視線をそのままでタケルにつぶやく。
 「タケル、
 またアンタにお願いすることになるけど・・・。」
 ふーっ・・・。
どんなに調子のいい女だろうと、そいつの心からの叫びを無視するようなタケルではない。
彼女の願いはわかっている。
殺された村人たちの恨みを晴らす・・・、
それが彼女の願い・・・。