Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

クラトスとビア 18

 
タケルは叫ぶ。
 「存分にやれ!
 オレはこっちの男を叩きのめす!」
バチィン!
今度はミィナのデモンストレーション!
得意の鞭を生き物のように躍らせながら、
憎き仇の間合いに近づいていく・・・!

未だタケルは冷静だ。
 「ミィナ!
 その女の鎖に気をつけろ!
 鞭と違って一撃でも食らえば命に関わるぞ!」
辺りにはミィナの鞭が繰り出す旋回音と、
ビアの鎖が巻き起こす二つの周波数が重なり合っている・・・。
確かに武器特性は似ているが、
その破壊力には雲泥の差が・・・。
だからとて、それが分からぬミィナでもない。
 「心配いらねぇよ・・・、
 確かに威力は向こうが『段ち』だ、
 けどな・・・スピードと正確さはあたしの独壇場だよ!!」
未だ互いのカラダまでは距離があれども、
二人の武器は既に接触圏内に達している!
最初は掠りあう程度の摩擦音が聞こえていたが、
そのうち、ビアの鎖の先端を、
ミィナの鞭がいなし始めていく!
 「こ・・・小娘っ!」
 「当たり前だろう!?
 いくら強力ったって、女性の細腕で鎖の重さをコントロールできるわけねーだろ!
 それに幾つもの結節から構成されている鎖に、力が真っ直ぐ伝導できる筈もない!
 この勝負、あたしの・・・!」
勝利を確信するミィナであったが、
その敵、ビアはあろうことか、劣勢にあるはずにも関わらず、
余裕の笑みが浮かび上がった!
そしてその余裕の根拠たる言葉が、権力の神クラトスから・・・。
 
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