クラトスとビア 22
まるでその鎖の先端は、ミィナのカラダを舐めまわすかのようだ。
それでも、バチンバチンと目を背けたくなるような音が、
彼女の薄いピンクの肌から聞こえてくる。
ビアは鎖に殆ど力を入れていない。
むしろ、ミィナのカラダを「壊さない」ように、細心の注意を払っているかのようだ。
・・・それでも想像できるだろう、
それだけで、金属の鎖は、ミィナの肌を乱暴に傷つけ、
鎖が触れたところから、きめ細かい肌が無残にも破け、後から後から血がにじみ始める。
「くぅっ・・・! ち、ちくしょうっ!」
「はっぁっはっはぁ~!
痛いぃぃ?
まぁ・・・アンタみたいな小娘は、痛みなんかどうでもいいんだよねぇ~?
さっきまでバカにしていたつもりの相手に、いいように嬲られている、
そっちの屈辱のほうが辛いんじゃないのかいぃ?
ホラホラ?
かわいい肌が台無しだよぉ?
あーっと、・・・これは痛そう・・・。
どんどんミミズ腫れが大変なことに、可哀想だねぇ~。」
ビアの鎖は、ミィナの服の上だろうと素肌だろうとお構いなしだ。
下手をすると一生モンの傷跡が残るかもしれない。
それよりも・・・やはりビアの言ったとおり、
ミィナに我慢できないのは、
故郷の同胞たちを無残に殺されて、何の報復もできない自分の情けなさだ。
パパやママを、・・・大好きだった友人たちを理不尽に殺されて、
自分が何もできないでいる・・・。
そんなことに耐えられる彼女ではない・・・っ。
「タケル・・・! グゥッ! な、なんとか、して・・・アゥっ!」
その間も容赦なくビアの鎖は彼女を責め立てる。
終いには、ビアは一歩一歩近づきながら、
その鋭角なハイヒールをミィナの柔らかい頬に無遠慮にグイグイ押し付けだしたのだ。
「無ぅ駄ぁ、無ぅ駄ぁ~!
小娘ちゃぁん? これからたっぷりと調教してあげるからね~?」
隣でタケルが悔しそうに叫び声をあげる。
「て、てめぇ! ミィナから離れろ! 鶏ガラ女ぁ!」