Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

妖しき歓待者 51

 
タケルは自分の怪我の様子を改めて認識した。
この地下世界じゃあな・・・、
最悪、地上に戻ればそれなりの治療は出来ると思うが・・・。
 「いや、サルペドン、オレの怪我は考慮してくれなくていいよ。
 ここから先のことはアンタに任す・・・。 
 そのつもりでここまでやってきたんだろ?」
 「すまない、
 そしてありがとう、タケルよ・・・。
 できるだけゆっくりと休んでくれ。」
途端にタケルは吹き出した。
 「・・・なんだ、タケル?」
 「プッ、だ、・・・だってサルペドンの口から『ありがとう』って、
 スゲー違和感ありまくりだぞ?」
 「・・・からかうな、これでも私の本音なんだ。
 たまには素の自分を晒したっていいだろう。」
 「ははっ、素ねぇ?
 ・・・それより、しつこいようだが、もう一度確認させてくれ。」
 「なんだ?」
 「オレの力・・・進化している・・・。
 天叢雲剣も同様だ。
 敵の親玉・・・ゼウスの能力も想像だが、なんとなくわかるぞ?
 きっと、オレと同系統の雷の能力だろう?
 なら、オレの力は役に立たないか?」
サルペドンはタケルの胸元の紋章を一度見つめた・・・。
確かにタケルのパワーと進化は凄まじい。
仮にもオリオン神群の首魁の一人であったサルペドンも、
冷静に考えれば驚愕以外の何物でもない。
しかし、それでも・・・。

 「残念だがタケル・・・、
 まだお前では、ゼウスの足元にも及ばない・・・。
 ヤツは・・・オリオン神群の全ての王なのだぞ・・・。」