Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

ゼウス対ポセイドン 12

 
そういえば・・・。
タケルはカオスのセリフを思い出す。
 「そんな事いってたかなぁ・・・?
 あいつ自分で自分の事、天才とか言ってたし・・・。
 最後のほうは10数年能力を鍛え続けたとも言ってたぜ?
 ・・・ん?
 10数年?
 オリオン神群にしては・・・やけに短いよな・・・。
 あいつ、下手したらオレより年下?
 でもそうなると、ヘルメスなんかとの成長に比べて余りにも・・・?」

タケルの心の中に一つの推論が生まれる。
だが、その推論の結果、生まれる答えがあまりにも馬鹿馬鹿しいと言うか、
考えにくい状況を更に生み出してしまうため、
喉元で必死に抑え込んだ・・・。
彼が・・・あの男、カオスがオリオン神群では・・・、
この地下世界の住人ではなかったとしたら・・・。

結局、今はより重大な状況が近づいている。
いつまでもそんな事を考えている場合でもない。
やがてピュロスの将アンピメデスは、スサを目的地にまで案内し終えたようだ。
 「みなさん、どうぞ、こちらをご覧ください。」
アンピメデスは歩を止めて、タケル達に何か見せたいようだ。
彼の手は「前に歩いて来い」と手招きしている。
各自、ゆっくりとその誘われる手の方向に歩いていくと、
眼下に広大な・・・すり鉢状に広がる空間が開けていた・・・。
大きい・・・。
東京ドームの広さの数倍はあるだろうか?
真上を見上げると、薄ぼんやりと、柔らかな光源が降り注いでいるようにも見える。
どうやら、ここが北極点の真下になるのだろう。
そして・・・ゼウスと・・・サルペドンの一騎打ちの場となるということか。