Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

地獄の扉が開く時 14

 
感知能力を持たない人間には、
モイラの説明はわかりづらいかもしれない。
以前、感知型の能力者には、
ラジオのように情報を受け取るトランス型と、
自らの精神を遠隔地に送り込むシャーマン型と、
二通りあることを説明したのを覚えているだろうか?
実際その区分は、術者そのものによって、意識して使い分けているのかどうかは個人それぞれだ。
中には全く意識しない者もいるだろう。
地上にある、強いイメージを持つ情景をサーチしていたモイラは、
ある種の結界の中を探るには、自らのアンテナには何も情報が入らないと判断し、
その結界内に自らの精神を送り込むことを決断する。
 
既に彼女の魂はここにはない。
盲目のモイラが視ている物は、
強風に晒されながら、外界から一切遮断された世界・・・、
そこにあるのは忘れ去られた町・・・。
 「町が有ります・・・。
 でもそれもカモフラージュです・・・。
 真の都市はその町の真下の世界・・・。
 大地の下に広大な宮殿が・・・もう、何百年も前から存在するような・・・。」

わずかながらも感知能力を持ち、神秘主義に精通しているマリアは真剣そのものだ。
今のモイラの透視を聞き、
彼女も自らの記憶や知識を総動員して、
その正体を探る。
 ヒマラヤの地下に存在しているという都市王国・・・。
 伝説にある・・・。
 その名は・・・、
 「地下王国・・・シャンバラ?
 まさか、黒十字団はそこを根城に・・・!?」