Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

Lady メリー最終章 第三十二話

一同、老人が日本語を流暢に使えることに驚いたが、
何しろ何百年この世界にいるか分らない爺さんだ、みんな少し考えて納得した。
伊藤だけ戸惑ったままだ。
しかも老人が、騎士団から日浦経由で頼んだものとは、伊藤にとってさらに難題だったのだ。
 「えっ!? む、娘の麻衣をここに連れてくることですよね?
 それは駄目です!
 その、妻に話してみたんですけど、そのー、
 強硬に反対されて・・・、うまい口実も思いつかず・・・。」
 「ふぅーむ、・・・では、初対面のあんたに、えらく失礼なことを聞くが・・・。」
 「は、はい、何でしょう?」
 「奥さんとセックスはうまくいっとるかね?」
 「・・・はぁ!?」
さすがにその場にいたマーゴも目をパチクリした。
特定の単語に反応したようだ。
義純に意味を聞いている・・・。「わーお!」
 「すまん、大事な話なんじゃ、答えてくれい・・・。」
伊藤は義純に対してはある程度心を開き始めていたが、
さすがに遠い外国からやって来た異邦人には警戒心を持っていた。
そんな時にこの質問では・・・。
 「・・・いや、子供ができてからはあんまり・・・。」
 「そうかね、では、以前の話でよい。
 あの時は、おまえさんが上かね? それとも奥さんが上かね?」
 「・・・はああ!?
 いい加減にしてくださいよ、何でそんな事を・・・!!」
しかし、老人の片目は本気に見えた・・・、威厳も感じられる・・・。
高名な医者の前で全てを申告せねばならないような雰囲気になって、
伊藤は恥ずかしがりながらポツリと言った・・・。
 「・・・妻が上に・・・なりますね・・・。」