Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

Lady メリー最終章 第三十三話

 「・・・すまんかったの、よぉく分った。
 伊藤さんといったかな? 奥さんに電話してくれんか?
 わしが直接話そう・・・。」
 「な、なに言ってんですか!?
 そんなイヤらしい事、百合子の耳に入れたら大変なことになりますって!」
伊藤は勘違いしたままだ。
老人は思いっきり吹きだした。
 「ハーッハッハッハ、いや、すまん、違う違う、そのことではない。
 娘さんのことじゃ、なーに、悪いようにはせんよ。」
本当に大丈夫なのか?
伊藤は恐る恐る携帯の自宅の番号を呼び出した・・・。
 『はい? あなた?』
 「あ・・・もしもし、俺、えーっ・・・と、君と話をしたいってお爺さんがいるんだけど・・・?」
 『ええ? どういうこと?』
そこで老人が携帯を奪うように取り上げた。
 「あー、もしもしー?」 レッスルはその場から離れる。
周りに聞かれたくないのだろうか。
 『もしもし? どちら様ですか?』
 「・・・ブレーリー・レッスル・・・と言えば分るかな? 奥さん・・・。」
 『はい? ブレーリー・・・ えっ・・・ ブレーリー・・・レッスル 様?』
百合子の声は震えている・・・、勿論、他の者には分らない。
 「やはり『リーリト』か・・・、珍しいのお。」
 『・・・申し訳ありません! 失礼を・・・!?』
 「気にすることはない、わしはお前たちの主人でもないぞ、
 用件は一つじゃ、・・・娘さんを貸してくれんか・・・?」
 『・・・それは、命令でしょうか・・・?』
 「いーや、そんな権利はわしにはないさ、 じゃが、おまえさんたちの掟は知っておる。
 種族の利害に反しない限り、全ては個人の意思が尊重される・・・、
 違うかね?」