Lady Merry の日記

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Lady メリー最終章 第八十二話

 「あー・・・、 麻里! 絵美里! ごはんだぞー!」
百合子のカラダには二人の女の子の魂が入っていた。
メリーと呼んでも良かったようだが、二人の嗜好が全く違うために区別する事になった。
食費は今までと変わらないが、服の好みが違うために洋服代が馬鹿にならない。
現代生活や常識を教えるのも一苦労だ。
それにも増して、賑やかさが今までと比べ物にならない。
麻里の方は、生前は17、8ぐらいだったようで、ある程度おとなしい。
 う ら ら ー ら ぁ ♪ 
また歌を歌ってる・・・、ちょっと天然がかってるが面白い子だ。
絵美里の年齢は、ちょうど麻衣と同じぐらいらしい。
麻衣と顔をあわせると、のべつまくなし喋ってる。
メリーのカラダに入っていた時、彼女の棲家にしていたところがあったらしく、
伊藤はしばらくして、そこに出向いて赤い手袋を取ってこさせられた。
懐かしい・・・。
感情面については、人形の頃のスタイルがまだ強く影響している為、
表情の造り方がぎこちないが、きっとすぐに思い出すに違いない。
麻衣も嬉しそうだ、
姉や妹ができたように感じているのだろう。
あれ以来、百合子には会えないが、伊藤もそんなにさみしいわけでもない、
・・・そしてそれには訳がある。

麻衣は伊藤と一緒に夕食を作っていた。
お茶碗を並べながら父親に話しかける。
 「パパァ!」
 「何だい、麻衣?」
 「あのねー、ママがねー、また、トマト食べなかったでしょーって!」
 「え!? ・・・麻衣、おまえまたママに言いつけたの?」
 「今度食べなかったら、鎌で斬りつけてあげるわって!」
 「うへぇ!?」