Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

顔のない人形 その15

タケルはとりあえず、音楽番組をビデオで撮り始めた。
昨日の話では、テレビに話しかけた人間がいたそうだが・・・ドラマのほうがいいんかな?
それより次の行動は・・・と、友人達に電話をかける。
まだ、今日子の行方の手がかりは全くつかめていない。
何人かの友人の中に、イタ電や出会い系と思われる所からの電話番号を教えてもらった。
拡げたノートにその番号を並べていくうち、
・・・三つほど、全く同じ番号が存在している事にタケルは気づいた。
タケルの動きが止まる・・・。
いったん、テレビの方を向きながら、
その番号を教えてもらった遊び仲間の一人に、もう一度電話をかけてみる。
 「あ、オレ、何度もワリぃ・・・、さっき教えてもらった番号ってさ、イタ電のヤツだったっけ?
 ・・・無言電話? 奇妙な雑音だけ・・・? そーか、掛け直しちゃいねーんだよな?
 ああ、もちろんそれでいいんだ・・・オーケー、ありがとよ!」
 (奇妙な雑音か・・・、
 そーいや、このテレビも最近、時々雑音入るな・・・言ってるそばから・・・、
 まただよ・・・!)
 それにしても・・・無言電話? 
 今日子のは、ちゃんと「友達になって?」
 って女の声がするっつってたから・・・関係ねーよなぁ・・・。
 それとも、話しかけるのは女性だけとか?
 いやいや、昨日の行方不明に関係あるんなら男もいたようだし・・・うーん・・・。
そんなことを考えていた時・・・、不意にタケルの携帯が鳴った。
発信者は知ってる人間では・・・イヤ、待て!
 この番号は!?
先ほど友人達から聞いたまさにその電話番号であった。
 ・・・どうすりゃいい?
 でていいのか?
美香には、さんざん「後先考えろ」と言われたばかりだ、
万が一、例の電話だとしても、
今日子は電話に出ただけでは、おかしな反応を起こさなかったはず、
しかもこの電話は、複数の友人が無言電話だと言っている。
タケルはゆっくりと腕をのばし、震える手で通話ボタンを押してしまった・・・。