顔のない人形 その14
「・・・いつも美香姉ぇはそうだよな?
父さんや母さんの時だって・・・。
オレがわんわん泣いてる時も、美香姉ぇはみんなの前じゃ涙一つ流さねーで・・・!」
美香が怒鳴りつける。
『何、言い出すの!?』
「分ってるよ・・・、オレがガキ過ぎたんだ。いつもそーだよな!
オレがガキ過ぎるから、
美香姉ぇは余計、しっかりしなくちゃって自分に言い聞かせてきたんだろ?
・・・でも、その為に・・・、いつの間にか・・・どっかに心を無くしちまったんじゃ・・・ 」
『タケル!!』
その瞬間、タケルも気づいた。
姉の自分を呼ぶ潤んだ声に、普段冷静な姉にない、悲痛な感情が込められていた事を・・・。
「あ・・・姉ちゃん、ごめん・・・。」
その呼び方は子供の頃までの呼び方だ。
いつの頃からか、タケルは何とか姉に追いつこうとして、
少しでも大人びた言い方にしようと、「美香姉ぇ」と呼び出したのだ。
『タケル・・・、今は・・・今日子ちゃんの事よね、そうよね?』
美香の声も上ずっていた。それが余計にタケルの罪悪感を責め立てる。
「そ、そーだよ、ごめん、悪かったよ、オレはどうすればいい?」
『実はね・・・、
昼間、知り合いの探偵さんに会って、興味深い話を聞いてきたんだけど、確証がないの・・・。
あと、30分ぐらいで家に帰るけど、その間に試して欲しい事があるの。』
「なに・・・?」
『まずね、テレビを録画して欲しいの、30分で撮れるかどうかわかんないけど、
そうね? なるべくバラエティやタレント・アイドル物がいいかも?』
「ええ? なんでそんなモン・・・?」
『後で説明するわ、それと、出来る限り友達に電話を回して欲しいんだけど、
ここ何日かで、無言かイタズラ電話のようなものを受け取った人がいないか聞いてみて?
もし、着信履歴にその番号が残っていたら、それを聞き出して欲しいの。
ただし、そこに掛け直しては絶対にダメ! いい?』
「ああ・・・わかった! やってみる!」
訳が分らなかったが、
昨日の今日子の行動や、行方不明になった家族の証言が、タケルの記憶に蘇った・・・。
確かに何かありそうだ、今は姉の言葉に従おう・・・。
父さんや母さんの時だって・・・。
オレがわんわん泣いてる時も、美香姉ぇはみんなの前じゃ涙一つ流さねーで・・・!」
美香が怒鳴りつける。
『何、言い出すの!?』
「分ってるよ・・・、オレがガキ過ぎたんだ。いつもそーだよな!
オレがガキ過ぎるから、
美香姉ぇは余計、しっかりしなくちゃって自分に言い聞かせてきたんだろ?
・・・でも、その為に・・・、いつの間にか・・・どっかに心を無くしちまったんじゃ・・・ 」
『タケル!!』
その瞬間、タケルも気づいた。
姉の自分を呼ぶ潤んだ声に、普段冷静な姉にない、悲痛な感情が込められていた事を・・・。
「あ・・・姉ちゃん、ごめん・・・。」
その呼び方は子供の頃までの呼び方だ。
いつの頃からか、タケルは何とか姉に追いつこうとして、
少しでも大人びた言い方にしようと、「美香姉ぇ」と呼び出したのだ。
『タケル・・・、今は・・・今日子ちゃんの事よね、そうよね?』
美香の声も上ずっていた。それが余計にタケルの罪悪感を責め立てる。
「そ、そーだよ、ごめん、悪かったよ、オレはどうすればいい?」
『実はね・・・、
昼間、知り合いの探偵さんに会って、興味深い話を聞いてきたんだけど、確証がないの・・・。
あと、30分ぐらいで家に帰るけど、その間に試して欲しい事があるの。』
「なに・・・?」
『まずね、テレビを録画して欲しいの、30分で撮れるかどうかわかんないけど、
そうね? なるべくバラエティやタレント・アイドル物がいいかも?』
「ええ? なんでそんなモン・・・?」
『後で説明するわ、それと、出来る限り友達に電話を回して欲しいんだけど、
ここ何日かで、無言かイタズラ電話のようなものを受け取った人がいないか聞いてみて?
もし、着信履歴にその番号が残っていたら、それを聞き出して欲しいの。
ただし、そこに掛け直しては絶対にダメ! いい?』
「ああ・・・わかった! やってみる!」
訳が分らなかったが、
昨日の今日子の行動や、行方不明になった家族の証言が、タケルの記憶に蘇った・・・。
確かに何かありそうだ、今は姉の言葉に従おう・・・。