黒の巫女・・・カーリー 4
「そうはいかん、目の前でこんな化け物を見せ付けられて、
お前たちを見逃すわけにはいかん。
私たちの役目ぐらい知っているであろう?
世界の秩序と平和を守るため、おまえたちのような怪しげな者達など放っておけん!」
マルコの目が再び敵意の炎を燃やす。
それに引き換え、上空のカーリーはいきなり笑い始めた。
「何がおかしい!!」
「ウフ ウフフ、オーホッホッホ・・・、ごめんなさいね、
だってあんまり可笑しくて・・・。
世界の秩序と平和を守るですって?
・・・あなた達に何の権限が?
あなた達に如何なる資格があってそんなことを?
だれがあなた達にそんなことをしろと頼んだの?
裁判も弁護される機会も与えられず、あなた達に蹂躙された者たちの尊厳は?
あなた達のやってることはマフィアにも劣るんじゃなくて?」
ガワンのもっとも嫌う事は、帰依する騎士団を侮辱される事だ、
マルコとの戦いではけして見られなかったほど顔が激しく紅潮する。
「ふざけるな!!
我らは神の教えに忠実に従っているだけだ!
自己の欲望や利益のために活動しているわけではない!
母国の国益ですら我らを拘束しない。」
その言葉にカーリーの表情が一転した・・・これまでにない厳しい表情で。
「神の教え・・・?
それが笑わせると言ってるのよ、
そのお題目で、今まで何億の民を殺してきたのです?
神の声を聞いたのは誰? その姿を見たものは?
ただ単に、年寄りがそう言ってる・・・周りのみんながそう言ってる・・・、
たったそれだけの根拠で、神の意志を体現する?
それこそ神の名を騙った詐欺師どもよ!
そしてこれから、神に従わぬ者たちを何億人殺せば気が済むというの!?」