Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

Lady メリー新世界篇 出航3

 
 揺れる船の中でユージンは驚いた。
 「え!? てことは密航者かい!? 困るよ!?
 第一、何で僕に報告をしないんだ!?」
 「報告をしなかったのは謝りますが、あなたが困る事は何もありませんよ?
 何しろ、『アレ』は水も食料も必要ありませんからな。」
 「・・・えっ?」

二人は船の一番下までやってきたようだ。
船長はジャラジャラと鍵を取り出し、ユージンにランプを預かってもらうように頼む。
その部屋には厳重な鍵がされており、簡単に出入りできるようにはなってない。
・・・何があるのだろうか?
 ガチャリ!
鍵が開いた・・・。
船長は再びランプをとると、その重い扉をゆっくりと開けた。
中は薄暗くてよく見えない。
気がせいて覗こうとするユージンに、船長は一言たしなめた。
 「そうそう、あまり驚くのも興奮するのもよくありません、
 これも命が危険です・・・。」
 「ちょっと・・・! 脅かさないでよ! 何なんだい? 猛獣? 人間?
 早く見せてくれよ・・・!」
船長は黙ってランプをもう一度、ユージンに手渡した、
今度は自分で見ては? ということだろう。
はやる心を抑えて、ユージンはゆっくりとランプを掲げた・・・。
船室の奥を照らす・・・。
何もない部屋・・・いや!

アレはなんだ!?

船室の奥に、華やかな衣装を纏った女性が膝をかかえてうずくまっている。
顔は膝にうずめているため、銀色のウェーブヘアーしか見えないが・・・。
 「オブライエン船長! どういうことです!?
 女性をこんな、暗い船室に閉じ込めていたっていうんですか!?」