Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

緒沢タケル 秘密工場へ40

 
 この部屋も照明はついていないが・・・、
タケルも・・・日浦も、これまで見てきた部屋の異常さから、
この部屋についても、何らかの衝撃を受ける事になるだろうとは予想は出来ていた・・・。
だが・・・、これは・・・?
部屋のあちこちに光が浮かび上がっている・・・。
ガラスのショーケースや、直立する円筒状の透明な容器・・・。
それぞれ中に何かがいるが、まだこの位置からでは判別できない・・・。
いくつものコードやパイプがその円筒状のガラスにつながっている。
規則的な機械音が聞こえる・・・。
タケルは自然に足を踏み出していた。
一体あの中には何が詰まってるんだ?
不意に、タケルの歩く途中で、手近な机の脇にも、
彼の腰の高さぐらいのベッドがあるのに気づいた。
・・・まるで病院の新生児を寝かせるためのような・・・
 タケルの目が見開いた・・・!
まるで信じられない物をみたかのように・・・!
 「ひ・・・日浦さん!」
それはまるで悲鳴にも似たタケルのうめき声だった。
日浦も何が起きたのかと、タケルの見下ろすものへと駆け寄っていく。
 そして・・・あまりのおぞましさに吐き気さえもよおしたのは日浦も同じだった。
そこにあったのは、
頭部が異様に膨れ上がった人間の胎児がそこに横たわっていたのだ!
鼻や口にはいくつものコードが巻かれている・・・。
目なんか開いているわけもない。
まるで蛙のようだ・・・。
日浦は周りの機材を確かめる・・・。
 「生きている・・・。いや、生かされていると言ったほうがいいのか・・・!」
 「な! こ、これ、人間ですよ、・・・ねぇ!?」
日浦はすぐには答えずに周りを観察する。
 「・・・見ろよ、タケル君、こっちも人間のようだよ・・・。」