Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

緒沢タケル 秘密工場へ44

 
 日浦は更に言う。
 「これが本当にキミに教えたかった事さ。
 この世界の真の姿・・・スサの血を引くキミがどんな反応をするかね?
 安心したよ、キミは純粋に怒りの感情を見せてくれた・・・。」
 「オレに・・・、オレに何をしろってんです・・・!?」
 「早急に何かをしろってわけじゃない・・・。
 まずは考えて欲しい。
 それにもし、キミがスサで権力を振るえる立場になるなら、
 この星の行く末も左右できることになるわけだからね・・・。」
 「・・・星の・・・!?」
いくらなんでもそれは大げさすぎだろ?
だが、今はそれよりも・・・
 
 バァンッ!!

 「ぐぁっ!!」
日浦の右肩に激痛が走る!
二人が振り返ると、扉に二、三人の白衣の男たちが立っている。
手には・・・拳銃!?
 「見られたからには・・・やむを得んな。」
話に熱中するあまり、静かに扉が開かれた事に気づかなかったようだ。
 「ロックの解除音は聞こえなかった・・・ぞ!?」
痛みに耐える日浦の声に、白衣の研究者達は静かに答える。
 「コントロール室がある、奥の部屋にね。
 ま、それよりもいろいろ聞きたいのはこっちなんだがね?」
この状態では、日浦もタケルも反撃できる術もない。
いくらタケルとて、拳銃の弾丸に敵うわけもない。
 いったいどうしたら・・・?
もはや何の手も打ち出せないタケルは、救いを求めるかのように日浦の顔を見つめる。
日浦は・・・。