緒沢タケル 秘密工場へ43
「すまない、ガラにもなく、興奮してしまったようだ、
勿論、キミを責めてるわけじゃない・・・。
いや、個人を責める事などできやしない。
これは・・・人間全体の罪なんだ・・・。」
「人間の・・・罪?」
「そうだ、誰も自分たちがやってることを悪だなんて、夢にも思っていやしないんだ、
なぜなら、みんな、
家族のため、会社のため、客のため、国のためなんて、
いい事をしているつもりなんだ。
・・・その結果、周りをどんなに食いつぶそうが気にもとめないんだ、
それでどんどん、破滅への螺旋を堕ちていくのさ・・・。」
「ちょっと待ってくださいよ! 今はこの製薬企業の・・・!」
「そうとも、彼らは言うだろう、
この研究は医学の進歩のため、病に苦しむ病人を救うためってね、
結局は、・・・同じ事なんだよ。」
「日浦さん・・・。」
「わかるかい、タケル君。
これが僕ら騎士団の本当の使命なんだ。
単に悪を裁くだなんてことじゃない、
犯罪組織をつぶすつもりでやってるんじゃないんだ、
今、僕らは何をすべきなのか、
みんなの目を覚まさなきゃならない、
キミだって事実を知って怒りに震えただろう?
きっと、みんな気づけば変われるんだ、この間違った世界をね・・・!」