Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

語られない物語 豪剣の騎士ライラック4

 
そしてライラックは微動だにせずにタケルに語りかける・・・。
 「緒沢タケル・・・。」
 「あ!?」
 「あいつな・・・、最後の騎士団の集まりで・・・、
 お前を・・・騎士団の仲間に迎えたいって言ってたんだ・・・。
 みんな、オレを含めて義純の言うことをバカにしてしまったんだが・・・、
 あいつの見る目は正しかったよ・・・。
 お前は騎士団に入る資格を十分に持っている・・・。」
以前、ランスロットに似たような話は聞いていたが、
騎士団の仲間に推薦していただって!?
いや、今は・・・今さらそんな話はどうでも・・・。
 「・・・オレのことはどうでもいい、
 ライラック、剣を収めることができるのか・・・!?」
ライラックは静かに首を振る・・・。
 「緒沢タケル・・・お前の言いたいことはわかった・・・。
 だが、もうオレ達は止まることはできない・・・。
 ここで止まれば、今まで死んでいった者たちの思いや命がさらに無駄になる。
 止めたければ全力で抵抗することだ・・・。
 言っておくがオレは義純ほど甘くない。
 騎士団の意志を貫徹するため、お前を倒す。
 覚悟はいいか!?
 ・・・向こうへ行ったら義純によろしく伝えてくれ・・・。」

 「馬鹿野郎っ!!」
やはり自分には・・・他人の心を変えることはできないのかっ・・・、
戦うことしかできないのか・・・!?
タケルの心に無力感・・・喪失感が広がる・・・。
だが、そんな状態でライラックと戦えるはずもない・・・。
この虚しさ・・・悲しみを怒りに変えるしか、タケルに選択肢はなかった・・・。

 「うぉぉおおおおおおっ!!」

そして・・・最後の激突がっ!!