Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

追手

 
丘の中ほどまで登ってきただろうか?
幽霊の出る遺跡の怖さもあって、
一度、フラアは元来た道を振り返る・・・。
その時、彼女はまたもや衝撃を受ける事となる。

丘の中腹からは、ラシの都が一望できるが、
今は夜なので、城壁付近の各所に焚かれてる篝火が唯一の光源である。
・・・もう、月も落ちてしまったし・・・。
ところが、
ラシの北門付近から、いくつもの篝火が連なって、
何とフラアのいる方角に向かってくるではないか?

 追手?
 でもどうして?
 コーデリアに裏切られた!?
 いや、裏切るも何も・・・例えそうだとして、
 元々彼女は・・・味方でもなかったじゃないか・・・。
 まさか、お兄ちゃんが捕まって口を割っちゃった?
 ・・・可能性はあるけども・・・。

すぐにフラアは自分の疑い深い考えを恥じてしまう。
 そうだ・・・ランプの明かりか・・・足跡が・・・。
 夜とはいえ、私の姿を目撃した人が他にもいるかもしれないし・・・。
どっちにしろ、行き先は変更しようもない。
追いつかれる前に遺跡の内部に入り込むのだ。
そうすれば、追手がやってきたって、見つかることはないはずだ!
フラアは息を切らせて、あとひと踏ん張りだと自分に言い聞かせた。
心臓の高なりが激しくなる。
でも進まなきゃ!

早く・・・!
はぁ、 はぁ・・・!
早く ・・・遺跡の入口を見つけて!!