Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

魔女の来歴

 
そこを疑われてはたまったものじゃない、
フラアはむきなって否定する。
 「してないわよ!
 話すと長くなるんだけど、あたし・・・魔女の疑いをかけられたの・・・!
 もちろんあたしは普通の女の子よ!
 だけど、あいつら迷信深いって言うか、一度疑われたら、絶対に罪にされてしまうの!
 あたしや・・・あたしを育ててくれたお母さんやお父さんも一緒に!
 今度こそ捕まったら・・・それこそ・・・何をされるか・・・!」
ツォンはきょとんとしつつ、むしゃむしゃ口を動かすのをやめない。
 「ムシャ・・・魔女? 魔女って実際に何やったの?
 誰か子供でもさらって、モゴモゴ、鍋に入れたとか?」
口にものを入れながら喋るな!
・・・こんな人が天使シリスの従者だったと言うのだろうか?
 「ち・・・違うわよ、もちろんそんなことしたらすぐ捕まっちゃうけど、
 魔女が街に存在するっていうだけで、法王庁は捕まえに来るのよ・・・!」
どうもそこがツォンにはわからないらしい。
 「なんで? そんな事言ったら、
 カラドックにーちゃんのママのマーゴおばさんはどうなるんだ?」
言わずと知れたウェールズの魔女である。
なお、ウィグル社会では、その件を突っ込むことはタブーとされている。
 「あ・・・あたしに言われたって・・・、そのカラドック王のお母さんってホントに魔女なの?」
 「うーん、自分で楽しそうに言ってるってだけなのかなぁ・・・、
 でも、おいらが暮らしてた周りには、奇跡を起こすシリス様がいるし、
 おっそろしい『力』を振るったアスラ王がいたし、
 第一、『術』ってんなら、カラドック兄ちゃんだって使ってたぜ?
 別にその力を悪い事に使わなければ・・・あ、
 そうか・・・、もう400年経ってるんだっけ・・・。
 ウィグルも変わったの?」
聞きたい事はたっぷりあるが、彼もしばらくぶりで混乱してるのだろう、
それに・・・。