顔のない人形 その32
美香はそれに目をやると、
視線を固定させたまま、ふー・・・っと息をはいた。
「例の探偵さんよ・・・、さっき私が送った会社名を調べてくれたみたい。
しかもこっちに向かってくれてるわ・・・。」
美香は安堵の表情を浮かべる・・・、やはり強がっても彼女は女性だ・・・。
「なんか分ったの?」
「会社名ノース・フィールド・カンパニー・・・、二年前にできた新しい会社ね・・・、
代表者・・・児島道幹、通信関連のベンチャー企業だけど・・・。」
美香が口ごもった・・・眉間にしわを寄せている。
「おい・・・? 美香姉ぇ・・・?」
「どっかで聞いたような名前だと思った・・・、
ノース・フィールドですって・・・?
顔が無い女性・・・
顔が無い・・・
ノー ・・・フェイス・・・。」
美香は誰に語りかけるでもなく、独り言のようにつぶやき窓の外を見つめる・・・。
そしていきなり思い出したかのように後ろを振り返った。
「ね、今日子ちゃ・・・ 」
その瞬間、美香のカラダが突然固まった。
目がタケルの背後に固定される。
ほとんど同時に、タケルは自分の首筋にあたたかい飛沫がかかるのを感じた。
そしてゴン・・・ッと床に鈍い音が響く・・・。
ゆっくりとした動作でタケルがその床に目を向けると・・・
エクステで長いウェーブにくるまれた・・・茶髪の頭がそこに転がっていた・・・。
視線を固定させたまま、ふー・・・っと息をはいた。
「例の探偵さんよ・・・、さっき私が送った会社名を調べてくれたみたい。
しかもこっちに向かってくれてるわ・・・。」
美香は安堵の表情を浮かべる・・・、やはり強がっても彼女は女性だ・・・。
「なんか分ったの?」
「会社名ノース・フィールド・カンパニー・・・、二年前にできた新しい会社ね・・・、
代表者・・・児島道幹、通信関連のベンチャー企業だけど・・・。」
美香が口ごもった・・・眉間にしわを寄せている。
「おい・・・? 美香姉ぇ・・・?」
「どっかで聞いたような名前だと思った・・・、
ノース・フィールドですって・・・?
顔が無い女性・・・
顔が無い・・・
ノー ・・・フェイス・・・。」
美香は誰に語りかけるでもなく、独り言のようにつぶやき窓の外を見つめる・・・。
そしていきなり思い出したかのように後ろを振り返った。
「ね、今日子ちゃ・・・ 」
その瞬間、美香のカラダが突然固まった。
目がタケルの背後に固定される。
ほとんど同時に、タケルは自分の首筋にあたたかい飛沫がかかるのを感じた。
そしてゴン・・・ッと床に鈍い音が響く・・・。
ゆっくりとした動作でタケルがその床に目を向けると・・・
エクステで長いウェーブにくるまれた・・・茶髪の頭がそこに転がっていた・・・。
床に転がる物体・・・
頭部が存在しないカラダ・・・
赤黒い液体が大量に噴き出す直立した物体・・・
さらには天井に揺らめく・・・黒い巨大な細長い物体・・・
き ょ う こ ・・・
頭部が存在しないカラダ・・・
赤黒い液体が大量に噴き出す直立した物体・・・
さらには天井に揺らめく・・・黒い巨大な細長い物体・・・
き ょ う こ ・・・