Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

エリナと優一 5

 
 「オヤジ、
 せいぜいとんでもねぇドブスが来るといいなぁ?
 そうしたら、心配いらねーもんなぁ?」
 「優一!!」
 「・・・まぁ、アンタの言いたいことはわかったよ、
 ただ、オレもそんな先の事は自信ないからね?
 相手次第だよ・・・。」
優一も自分の気まぐれさは自覚してる。
別に女に不自由してるわけでもないし、
正直、そっち方面の欲求は薄い・・・。
適当にからかえる相手がいれば退屈はしない、
せいぜいそれぐらいの衝動しかない。
・・・例えばこれから来るその相手が、いわゆる高慢ちきな態度の持ち主なら、
その鼻っ柱を叩いてやるためにも、徹底的にいたぶるのも一つの手だし、
箱入りお嬢様なら、よからぬ世界を教えてやるのも楽しいだろう。
・・・実際、いま思いつくのはそんなとこだ。
後は本人を見てからだ。

そして父親にしてみれば、今更息子のナメたセリフ使いや態度に、いちいち怒ることも出来ない。
用件は伝え終わったし、息子も一応、納得して見せた。
不安が解消できたわけではないが、これ以上、この場の空気に耐えられはしないので、
静かに部屋を出て行った。
・・・優一はそのまま雑誌を読みふける・・・。
それにしても・・・、

何か引っかかる・・・。
だが、親の様子から見ても、
恐らく、その「引っかかるもの」が何なのか、彼らに聞いて判るものでもなさそうだ。
そして、実際、その「引っかかり」を感じていたのは、
優一だけでなく、その両親も一緒だったのだ・・・。