悪夢の終焉 3
「あたしが着てるこのドレス・・・、まさか?」
フラアの背後で着付けを手伝った年配の女官は、微笑みながら口を開けた。
「ええ、あなたの母君、
アスタナシア様が王宮を飛び出す前に、着てらっしゃったドレスです・・・。
正直、私めも驚いております。
まぁ絵の方は、微笑むアスタナシア様の表情しか書かれておりませんが、
凛々しいフラア様の姿は瓜二つですよ、当時のアスタナシア様に・・・。」
これが・・・自分の本当の母親の肖像画・・・。
自分では本当に似ているのかどうか、はっきりとは分からない。
思わず部屋の奥にある鏡を見つけて、自分の姿と見比べてみたが、
肝心のドレス姿の自分が、自分自身の着飾った姿と認識すらできていないのだ。
驚いているのは、ヤローども三人も一緒である。
血縁者と言えども、アイザスは鼻の下をのばし、
ディジタリアスも頭では分かっているが、まんざらでない。
(こんな美しい女性だったのか・・・!?)
自分では本当に似ているのかどうか、はっきりとは分からない。
思わず部屋の奥にある鏡を見つけて、自分の姿と見比べてみたが、
肝心のドレス姿の自分が、自分自身の着飾った姿と認識すらできていないのだ。
驚いているのは、ヤローども三人も一緒である。
血縁者と言えども、アイザスは鼻の下をのばし、
ディジタリアスも頭では分かっているが、まんざらでない。
(こんな美しい女性だったのか・・・!?)
いつまでもフラアが立ちつくしているわけにもいかないので、
女官はフラアをテーブルにつかせると、
静かな夕食会が始まることとなった。
内々だけの食事にしたのは、
マナーを知らないであろう、フラアを慮ってのことだ。
・・・それから当然、ツォンもテーブルマナーなんか知らない。
見るからにそわそわして辺りの者たちの顔を窺い、
「食べていい?食べていい?」と口には出さなくても、その挙動全てが彼の欲求を露わにしている。
アイザスは苦笑を浮かべ、
弟ディジタリアスに合図を送る。
「・・・それではお腹を空かせている方もいるようだから、食べながら歓談しよう。
・・・いや、楽しく歓談という訳にもいかないだろうが、
フラア、そなたの事も話さぬわけにはいかぬので、気を楽にしながら食事をとるといい。
今朝からちゃんと食べているか?
食事は胃に優しそうなものを用意しておいた。」
女官はフラアをテーブルにつかせると、
静かな夕食会が始まることとなった。
内々だけの食事にしたのは、
マナーを知らないであろう、フラアを慮ってのことだ。
・・・それから当然、ツォンもテーブルマナーなんか知らない。
見るからにそわそわして辺りの者たちの顔を窺い、
「食べていい?食べていい?」と口には出さなくても、その挙動全てが彼の欲求を露わにしている。
アイザスは苦笑を浮かべ、
弟ディジタリアスに合図を送る。
「・・・それではお腹を空かせている方もいるようだから、食べながら歓談しよう。
・・・いや、楽しく歓談という訳にもいかないだろうが、
フラア、そなたの事も話さぬわけにはいかぬので、気を楽にしながら食事をとるといい。
今朝からちゃんと食べているか?
食事は胃に優しそうなものを用意しておいた。」