Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

守護女神アテナ 10

 
ここで、デメテルが興味深い話をタケルに告げる。
 「タケルよ、神話においてアテナとポセイドンの関係を知っておるか?」
すいません、知りません。

正確には、聞いたことがあるようなないような、そんな程度の話だったけど、
確かギリシアの街の領有権ををめぐって争ったとかなんとか・・・。
いや、ここは話を聞いた方が手っ取り早い。
まさか、またポセイドンが不埒なマネをしたとかじゃ・・・?
デメテルはタケルの様子を見て、笑いながら話を始めた。
 「一番有名な話は、
 地上のアテナイと言う街をめぐって対立したという話じゃな、
 その町にとって、もっとも有益なる恵みを与えたものがその街を得る。
 ・・・そんな条件のようじゃが・・・、
 (呆れたように)何が対立か・・・?
 そんなおままごとの様な敵対関係など世界のどこにある?
 神話に於いては、ポセイドンは塩の泉を湧かせ、
 アテナはオリーブの木を植えた。
 この時、ポセイドンの眷属として生まれたのが天馬ペガサスじゃ・・・。
 まぁ、なぜか知らぬが、この時よりアテナイの街はアテナの物になったと言うが・・・。」

そしてお次はおなじみ、サルペドン先生の解説。
 「アテナはゼウスの娘だと言われるが、
 私が調べたうちでは、ポセイドンの娘だと言う異伝も地上には存在する・・・。」
へぇ?
 と、それはデメテルもアテナも意外だったようだ。
続いてサルペドンは言葉を続ける。
 「出生にいろんな謎があるのは、アテナに留まらず、通常よく見られるのかもしれないが、
 彼女を地上に送りだしたのはヘファイストスともプロメテウスとも、言える。
 だが、やはりアテナとポセイドンの関係はよく分からないな、
 もう一つ興味深い話では、
 化け物とされるメドゥサにまつわる異伝だ。
 元々、メドゥサと言う名は『統治する女』という意味合いで、普通の女性だったようだが、
 ポセイドンの伴侶とされていた。
 ところが、それに嫉妬したアテナがメドゥサを醜い化け物の姿に変えてしまってから、
 メドゥサの頭髪は無数の蛇の姿になったとまで言われるが、
 ギリシア神話に於いてアテナは処女神であり、特定の伴侶を持たない筈でもある。」
この段階でタケルが興味を覚えたのは前半の話である。
 
男女の神々の対立?
武装した女神?
対立の後に生まれてくるもの・・・そして馬・・・?
これもどこかで聞いたような・・・

なんだっけ・・・確か日本の高天原とか言う場所で・・・。