Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

地獄の扉が開く時 最終話

 
自らの配下であるモイラがあんな目に遭ったと言うのに、
ゼウスは相も変わらず冷静なままだ。
実際、ゼウス本人が地上に出てゆけば、
どんな軍隊だろうと、壊滅し尽くせる自信があるのだろう。
だが、たった今、オリオン神群は地上に干渉しないと取り決めたばかりだ。
タケルやサルペドンをはじめ、
スサが黒十字団に立ち向かう限り、自分の役目はないと考えているのだ。
・・・もっとも、
ゼウスは知っている。
モイラは既に予言しているのだ。
ゼウス、ハデスやその他の大勢の神々を伴って、
自分達が地上に出向く運命にあることを。
それはつまり、
スサの殆どの人間が死に絶えることを意味している。
もちろん、自分達にスサを手助けする理由も義務もない。
せいぜい、敵の戦力を削れるだけ削ってもらうか、
敵の手の内を暴いてくれるぐらいは役に立つだろう・・・。
それぐらいの気持ちでタケルたちを観察していたのである。
果たして、
これより先、タケルたちの運命は、いかなる結果を産み出すのか、
彼らを待ち受ける黒十字団の本当の目的は?

それら全ては、緒沢タケル編三部作の内、
最終章・・・「黒十字軍」編で明らかになるであろう。
だが、それはこれまでのタケルの旅の中で、最も過酷で、
残酷なる運命が待っている・・・。
舞台は一度、
彼の故郷、日本の東京・・・武蔵野方面に戻るだろう。

そして彼は、
・・・全てを奪われる・・・!