Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

寝所の前での騒動

 
  3.

 「ラ、ランディ将軍・・・? 
 何を仰るのです?
 誰もおらぬではないですか?
 先程から我らはずっとここにいるのですよ、
 侵入者が立ち入るなどあり得ません!」
何だと・・・!
 「馬鹿な!?
 たった今、私は陛下の寝所の扉が開き、金髪の男が中に入っていくのを見たぞ!!」
衛兵達は信じられぬという顔だ。
 「将軍、落ち着いてください!
 この入り口から寝所まではほんの12メートル・・・周りには扉も窓もない一本道ですよ、
 どうやって、我々の目を盗んで侵入者が王の寝所に忍び込めると言うのです?」

こいつらは何を言ってるのだ!?
私が幻でも見たとでも言うのか!?
 「・・・!!」
ランディは自分の見たものを信じた。
陛下に万一の事があってはならない。
彼は警備兵を振り切って、王の寝室まで駆け寄った・・・!
 「将軍! あなたは何をなさっているのかお分かりですかっ!?」
そんな言葉には耳を貸さずにランディは王の寝室を乱暴にノックした。
 ダンダン!!
 「陛下! ご無礼をお許し下さい! ランディです!
 何者かが部屋に侵入しましたがご無事ですか!?」
喋っている間に後ろから警備兵に羽交い絞めにされる。
二人程度なら、ランディがその気になれば、赤子のように蹴散らす事が出来るが、
出来れば無茶はしたくない。
陛下の無事さえ分るなら・・・。

だが、ランディと衛兵の緊張とは他所に、
部屋の中からは、間の抜けた王の声が聞こえてきた・・・。
 「おう、ランディか・・・お前だけ入ってきなさい・・・。」