Lady Merry の日記

Yahooブログから引っ越してきました。

そこにいた侵入者

 
  4.

 その場にいた三人は一瞬固まってしまった・・・。
あまりにも意外な王の言葉がかかったからだ。
侵入者などいなければ、こんな時間に腹心とは言え寝室に呼び寄せるはずもない。
侵入者がいるのなら、何故こんな呑気な声を出す?
ランディや衛兵は、互いに顔を見合すのみ・・・。
とにかく王のお声が掛かった以上、衛兵はランディのカラダを放すしかない。
 「し、失礼しました・・・ランディ将軍・・・。」
 「い、いや、謝ることはない。お前たちは職務に忠実だという事だ。
 だが、私には本当に、誰かがこの部屋に入ったように見えたんだ・・・。
 これより私は陛下の寝所に参内するが、
 お前たちは、何か異常があったらすぐに他の者達を呼べるように注意していてくれ・・・!」
 「ハッ!」

ランディは服装を正して扉の向こうのエア王に返事をした。
 「ランディ、只今参ります!」
・・・重い扉を開ける。
ランディですら寝所に入るのは初めてだ・・・当然のことだ。
厚い絨毯を敷き詰められたその部屋の真ん中には、
豪華なベッドがあり、エア王はベッドの上に座っていた。
・・・エア王は小柄な老人だ。
身長は150ちょっとだろう、
ナイトキャップをかぶる撫で肩の老王は、ちょっとユーモラスな印象を受ける。
ちなみに目はロンパリだ。
ランディは膝をついて臣下の礼を取る・・・。

だが・・・その彼の視界の端に・・・

先程の金髪の青年が立っていたのである。
 「何者だッ!?」
言うが早いかエア王がランディを叱責する。
 「控えよ! ランディ!!」
 「へ、陛下・・・?」